2003/4/17
ぼくがキーウィーの農園に住んでいることは、
わりとみんなに知れていることのようだけれど、、
ぼくの部屋に来たことがある人は 少ないと思うから
少しだけ 「おはなし」 します?
「おはなし」 は、お好きですか?
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, はい、うそは ほんのり赤く、
薄いみどりの若草の
ちいさなちいさな春の花
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ね、
いまから十五年まえの 「おはなし」
彼女が住んでいるへやは
いわゆる二件長屋のかたほうです
その敷地は二千坪ほどの農園の中にあり
農園そのものは、二十メートルを超える木々の森に囲まれています
その農園のわかりにくい入り口を入ると
ぶどう棚のトンネルが 一本まっすぐにつづいていて
背中をまるめてススムのです
そこには
おおよそありとあらゆる生き物
(かけす・ひよどり・おなが・からす・むくどり・じょうびたき・きびたき・すずめ
しじゅうから・やまばと・はなぐも・みみづ・おけら・ありじごく・かまきり・いもり
くろあり・あかあり・はなあぶ・みつばち・すずめばち・黒スズメバチ・くまんばち
のねずみ・いえねずみ・きあげは・からすあげは・くろあげは・ひょうもんちょう
じゃのめ蝶・もんしろちょう・もんきちょう・しじみちょう・セセリチョウ・瑠璃シジミ
あぶらぜみ・ひぐらし・か・ががんぼ・かげろう・くさかげろう・へびとんぼ・あきあかね
しおからとんぼ・おにやんま・ぎんやんま・さくら・赤松・くろまつ・ひのき・さんしょう
そてつ・とくさ・ひまらやすぎ・くすのき・もうそうだけ・ささ・ひめじおん・あかつめくさ
しろつめくさ・なのはな・おかめずた・どくだみ・むらさきなばな・かきのき・くり
もくれん・しゅもくれん・もみじ・あおぎり・さるすべり・みかん・のいちご・すぐり
へびいちご・こけ・ひきがえる・あおがえる・やまぼうし・ぶどう・キーウィー
のらねこ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
それらのものたちから溢れ出るじんわりとした匂い
息を潜めた気配、視線、叫びと 想い、などが
ひしめいています
はりめぐらされた 女郎蜘蛛の糸に無数の昇天
うごめくヒキガエルの目に映る白い蝶の心は
ツバメとひとつに交じり合って
やがては大木の枝の先で薄紅色の花びらを纏います
彼女は その青い目と金色の髪と白い肌で
その空気のなかでくらしています
長屋は粗末な木造の平屋ですが
家と同じ大きさのお庭があります
昼でも暗い森のなかで
そこだけはいつも温かい陽の光が満ちていました
彼女はそこに 幾つかの食べることのできる植物を植え
珈琲をわかし、クッキーを焼きます
そして
左右対称に造られたもう半分
そこには
彼女の恋人が住んでいます
陽が沈みかけて 夕焼けの赤みも薄れる頃
二人は
手をとりあって このトンネルをくぐり
ある所へむかうのです
毎日、つるはしやスコップを握って働く 彼の逞しく日焼けした体は
しかし彼女とこうしている時、ひとつに重なって
まるで くるくると螺旋に飛びながら決して離れない 二匹の蝶のようです
さて、二人はどこえゆくのでしょうか?
もしこのおはなしがまったくの作り話なら
きっと妖精のくにか
魔法使いのおばあさんのところへ行くのでしょうけど・・・・・
こたえは おふろ屋さん!